先生にとって春休み
卒業シーズンも落ち着き、日本の学校的には終了式も終わり児童生徒、学生の皆さんは春休みに入ったところでしょうか
さて、長いことこの仕事をしていると友人や生徒からこんなことを言われたことがあります
先生って合法でJKに囲まれる上に春休みや夏休みがあるんしょ?
サイコーじゃん
先生も明日から休みですね…先生もたくさん休めるからいいですね
そうですよね、生徒が休んでいるから先生も仕事ないって思いますよね…
全っ然違います!!!!!!!
むしろこの時期の方が何かと忙しいくらいです
ではどんなことしているのか
これを読んでくれた人の中から1人でも学校の先生が忙しいことを認識してくれればありがたいです
1. 生徒の補習
春休みだとあまりないですが、でも場合によっては実施します
夏休みには想像つくかもしれませんが、春休みだってやるんです
場合によっては「進級のため」にやったりやらなかったり…
もちろん他にも後述するような業務もあります
でも生徒のために時間を使うのが先生っていう生き物の習性です
「は?それで金もらっているんだから当たらり前じゃね?」 と思うでしょう
ですが、冷静に考えてください
すでに授業ではない以上、その補習は給与の発生のないものです
そもそも、「進級のため」にやる補習って誰のためかって生徒のためですよね
ではその生徒が全力を出して頑張ってそれでも足りなかったという場合もあれば、生徒がめんどくさがったり手を抜いたりして成るべくして補習となる場合もあります
前者であればまだ納得できるんです
ただ、後者であると思うところはあります
「なんで怠けた者のためにこっちが同じことをまた一生懸命にやらなきゃいけないのか」 と…
例えば、バイトでも正職員でも何でもいいんですが、自分は一生懸命働いて、同僚がまったく仕事しないでサボってたとしましょう
普通ならサボっている同僚が怒られるなりクビになるなりして終わります
これで逆に同僚から「俺の分残ってっからお前やれや」ってそんなジャイアンみたいなこと言われたらキレますよね?
そう、世間ではサボったものが罰せられて終わりになるところが、学校と言う現場ではサボった者にももう一度チャンスを与えます
“世間の常識は学校の非常識、世間の非常識は学校の常識”
と何かで聞いたことがありますが、まさにその通りですよね
2. 指導要録等生徒の記録のまとめ
生徒の皆さんは全く聞いたことも見たこともないものだと思います
これは簡単に言うと
- どんな生徒が在籍していたか
- その生徒の出席欠席は何日か
- 取得した資格検定はあるか
- 委員会や実行委員、部活動は何をしていたか
- 担任から見た所見
などをまとめた書類のことです
学校にはこれらを生徒の卒業後も何年か保存しておく決まりがあるんです
なので、この指導要録の作成作業があるんです 生徒全員分
私が小学生の頃、小学校の通知表が全部手書きでした
成績よりも先生からのコメントを読むのが楽しみでした
今になって思います 1クラス手書きで全員違うコメント書くのは相当時間がかかる作業だと…
こういった仕事をしていないと30人近くの人間にコメントを書くという作業はしないと思います
今でこそパソコンがあるので、タイピングできますが手書きで書き損じた時の絶望感たるや…
1年間コツコツと出席はとるわけですが、折を見て合計しないと大変なことになるので、定期的に実施するのですが、それでも3月に学年団で出席数がズレることもあります
こういったミスを確認し合いながら作業をすすめるので、個人戦と見せかけて団体戦な仕事なんです
3. 次年度に向けた諸々の準備
これは年が明けてから動き出すのですが、すでに次の4月に向けた準備が始まっています
- 学年団の編制
- 分掌決め
- 教科書や副教材の発注
- 新入生向けのガイダンス
- 制服採寸
- 新年度クラス分け
- 入学式の準備
今考えただけで頭が痛くなります
年明けから少しずつ動き出して、3月に一気に詰めていきます
この時期は生徒がいないタイミングで会議会議のまた会議です
特にクラス編成は大変です
人間関係や生徒同士の相性、学力・体力のバランス、“やる気”や“素直さ” ”真面目さ”等の数値化できない様々な特徴のバランス etc.
これらを総合的に判断します
しかも稀にあるのが仲良かった生徒が春休み中にバチバチの喧嘩をして絶縁状態であることに先生も気が付けなくて、良かれと思ってクラスを一緒にしたらそれが仇となり大惨事…なんてことも
さすがに超がつくレアケースですが、そういったことも先生は配慮しています
なので、職員室の先生方って意外と生徒同士の人間関係をよく見ていますし、情報を持っています
通な先生がいると「〇〇と△△は付き合っている」とか「あそこは最近別れたけど◇◇はもう☆☆と付き合っている」とまぁどっから聞いたか知らないけど情報を持ってきます
生徒の皆さん、先生方は意外と見ていますよ
4. 部活動指導
学校と言えばですね
近年ではブラック校則やブラック部活なんて言葉がありますが、部活も春休みに実施されますね
もちろんすべての部活が活動しているわけではありませんが、野球部・サッカー部・バレー部・バスケ部・柔道部・剣道部・吹奏楽部・美術部 などなど学校で力を入れている部活動ってありますよね
春休みって逆に部活が1日中あったりしますよね
もちろん顧問の先生だって学校の先生ですから、上記の業務がまっているわけですが、部活があると顧問として監督もしなければなりません
生徒が帰ったあとにこれらの仕事をするわけですが、顧問を持っていない先生はすでに仕事を終えて帰れるわけですよね
残業代こそでても、それでも体力的に限界はあります
部活動の手当だって、月数千円が関の山です
これじゃ割に合わないどころの騒ぎじゃありません
本当に今になって思うと、自分の高校の部活の顧問の先生はいつ仕事して、いつお休みしていたのか…
皆目見当もつきませんし、今更ながらただただ感謝ですね
5.異動があれば異動の準備
先生だって赴任校が変わることがあります
そうなると机上を一気に整理して明け渡したり次の学校で使う荷物を送ったりと何年かに一回必ず大移動を強いられます
私はこの移動が大変苦痛です
もともと片付けが下手なので、こういう時にパッと移動できないんですよね
今年こそはと毎年思いつつも、そうそううまくいきませんね
さて、先生の春休みが休みでないということはご理解いただけましたでしょうか
学校の先生ってこういう風に「自分が全力でやっても成果が伴わない」ってことが結構な頻度であります
もし将来は学校の先生になりたいという人は、その想像の2.5乗は面倒な仕事です!!
ぜひ、一考しなおしてほしいと思います
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