ブラック校則との正しい戦い方と守り方

ブラック校則報道に思うところ

ここ数日 メディアで取り上げられる『ブラック校則』がよく目につきます

正直、教育現場にいる身であっても 「いやこれはネタでしょ…へ?マジであんの??」と思うこともあります

ただ、こういった報道をみるといつも生徒や保護者、教育委員会、大学の教授などですよね…

“表現の自由”があることは認識しつつも『現場の先生』の意見や本音を取り上げてくれるメディアはどれくらいあるでしょうか…

(そもそも先生の労働環境の方が万倍ブラックな気もしますが、それはグッと飲み込みます)

ちょっと現場を知っている立場からブラック校則がなくならない背景と正しい戦い方をまとめていこうかと思います

そもそもブラック校則とは

一般社会から見れば明らかにおかしい校則や生徒心得、学校独自ルールなどの総称として定義します。

「ブラック校則をなくそう」プロジェクト

よく見るのは

  • 頭髪に関わるもの
    特定の髪型の禁止、黒色以外を認めない(地毛が茶色の場合は黒染め)など
  • 服装に関するもの
    制服の着こなしに関するもの、下着に関するもの など
  • 登下校時のルール
    自転車通学に関するルール、寄り道の制限 など

ここでは詳細な内容は割愛しますが、多くのモノが見直しが必要なものが多いです

平成すら終わって今は令和になりました

多様性や個人を尊重し合う時代です

私も昭和的な「精神論至上主義」だけで押し通すのは大嫌いです(メンタルを強くさせるのも教育ですが、なんでもかんでも“気合と根性”はあまりにナンセンスです)

ただ『現場の先生だけが“分からず屋”の悪者』扱いされている気がしてなりません

ただでさえブラックな労働環境な現場の先生を悪者扱いするにはあまりにもじゃないですか?正直ここにも理由が潜んでいる気がしてなりません

学校別 ブラック校則への考え方

まず大前提として、国公立と私立で異なります

特に私立の場合には法的な制約や規制はあるものの「創立者」の想いが反映されたものであり、その創始者の方針に賛同した方が通っているはずです

「家から近いから」「ここしか行くところがなかった」などなど様々な背景があるでしょうが、私立に入学する場合には『学校創始者の方針に賛同した』から選んだとみなされます

かなり極端な例かもしれませんが、敬虔なキリスト教徒の生徒・保護者がわざわざ仏教系学校を選ぶでしょうか?仮にこの学校が立地最高の場所にあっても優先度は下がりますよね
おそらく立地も考慮はしつつ、キリスト教系学校もしくは宗教無関係の学校から候補に選んでいくと思います

ここで言いたいのは学校選びの際に「学校のことを徹底して確認しているのか?」ということです

外食するときにもその店がどんな料理を扱っているか、価格はどうか、予約は必要か、口コミはどうかといろいろ調べますよね?

ネットの情報は偏りや誇張が混じっている玉石混交の状態にあります

外食するときにもその店がどんな料理を扱っているか、価格はどうか、予約は必要か、口コミはどうかといろいろ調べますよね?

某ラーメン屋さんみたいに『独特なルール』があるお店ってたまにありますよね?
そこへろくに調べもしないで食べに行って想像と違って文句をいう人はいないはずですし、文句をいう人を擁護する人が何人いるでしょうか?

今は飲食店ですから、次は別のお店にとなりますが、学校はそう簡単に変えられません。ではなぜ一生を決めるかもしれない学校選びで「とりあえず~」で決めてしまうのでしょうか???

そういった意味では、私立学校をわざわざ選んで入学した場合、校則を知らずに入学してきた方にも落ち度はあると思います

受験生も保護者も学校説明会で現行の生活指導ルールや心得を確認しておくことがブラック校則からの正しい身の守り方です

これを聞いて、きちんと説明がない学校は怪しいと思います

仮に聞いておいて、入学後にまったく違った場合にはそこから有利に戦うことも可能になるでしょう

先生からみる ブラック校則

※あくまで私個人の知り合いの先生方から聞いた話です 全先生の総意ではないことを予めお断りしておきます

さて、先生方はどういった心境でいるのでしょうか?

これもよくある見解ですが

『生徒を校則で縛らないと学校が荒れてしまう』『生徒が学業に専念できなくなる』

といったものがあげられるが、正直聞こえのいい“建前”である気がしています

これも問題であると思いますが、世の中の「先生」に対するイメージがこの状況を作り出している気がします

私が教職課程を修めていた頃の授業で「先生は“聖職者”とも言われる」と習いました

相手にするのが主に子供である以上、寛大な心と広い教養を身に付けておくべきであるとは思います

ですが、これは先生だけがこうあるべきではなく、親含めた子供に関わる全ての大人がそうあるべきではないでしょうか

それを先生だけが法でガッチガチに縛られて自己防衛手段もどんどん規制される始末です
他人に暴行を加えた場合はこれ警察沙汰ですよね? ですが、生徒が加害者で先生が被害者となった場合に「教育者としてここは穏便に…」とか「先生が子供の未来を奪うんですか!?」という保護者がいてみたりで警察沙汰にならないケースも見てきました

生徒だけじゃなく先生も十分社会的に逸脱したルールの中で働いているということをわかっていただきたい一心ですが、いまは置いておきます

なので先生という立場上「周りを過度に刺激しないようにしつつ、それっぽい理由」を述べざるを得ない気がしています

ですから、数件本音をまとめておこうと思います

≪想定できる火種はなるべく消しておきたい≫

これにはいろいろな意味があります

例えば「いじめ」や「犯罪」の可能性です

テレビでよく見る生徒の声として

  • 「リップや日焼け止めも色付き・におい付きがダメで厳しい」
  • 「ワックスとかの整髪料が禁止だった」
  • 「学校指定以外のものを持ち込んではいけない」

といったものがありました

例えば色付き・におい付きのリップや日焼け止め、整髪料もピンキリのお値段です

高級品も購入できる家庭とそうでない家庭があります

仲間内でみんなが使っているけど自分だけ買えない なんていう場合にそこから

「アイツは貧乏だ」「友達なら同じの持ってくれるよね」 など

いじめのきっかけになってしまったり、あるいは買えないから万引きをはたらこうとしたりとよくなる未来が想像できません

また、中高生が犯罪に巻き込まれる場合、犯行を企てる方は制服をしっかり着ている真面目そうな生徒ではなく、制服の着こなしができていない生徒や少々派手目の生徒を狙うそうです
そこから結果的に補導されて学校に連絡が来て警察に呼び出されることもあります

“それは考えすぎでは!?” と思う方もいるかもしれませんが、逆に現場の先生だからこそ、生徒の不安定さを知っています

いじめが起きて生徒が不登校になってしまったり、エスカレートして違う問題に派生したりすると、先生はその対応に追われます

他の業務があろうと、いじめの聴取や問題への対応、その報告書作成が最優先事項としてあがってくるわけです

また、万引きをして捕まった場合や補導された場合、学校の先生が警察に行くこともあります これも他の業務があろうと関係なく最優先事項としてあがってくるわけです

先生の1日も24時間しかないんです

その中で何とかやっているのに、その火種を増やす可能性があるものは本当に排除したいのです

「そんなもの先生の都合じゃないか」という声が聞こえてきそうですが、先生も労働者です
労働環境を改悪しかねない方針には反対したくなるのは当然の反応ではないでしょうか…

≪それは個人のワガママでは…≫

これはテレビを見ていて本当にそう思います

上で色付きリップや日焼け止めの話を出しましたが、これらの本来の目的は「唇を乾燥から守り、保湿すること」「紫外線を防ぐこと」であり、色やにおいには関連性はありませんよね?

色やにおいはあくまで付加価値であり、個人の嗜好がでるものです

その生徒が体質的に皮膚が弱く、リップクリームや日焼け止めを医者の指示でこれらを使用する場合、その生徒の健康上の都合なわけですから学校も相応の対応をするはずです

しかしながら「医者の指示でこの色付きリップクリームを使用しなければならないんです」と言う生徒に会ったことは残念ながらありません

そう、色はなくても機能的には問題ないはずなんです

おしゃれをしたいと外見を気にする年頃なのは十分に理解ができます

今先生をされている方も自身が中学生高校生の頃にはオシャレに必死になっていたことでしょう

これについては、学校の先生の説明にも問題があると思います

ニュースやインタビューで聞く「ルールで決まっている」「ダメなものはダメ」「そんなこと考える暇があるなら勉強しろ」と頭ごなしに否定するのはよくないです
※もっともこれも生徒側の聞き取りなので丁寧に説明されている可能性は十分にありますがね
私の知る先生は「なるほど、言いたいことはわかりました。では、わざわざ色付きのものを使わなければならない理由はありますか?そこに正当性があれば認めますよ?」と返しているそうです
この質問をすると何も返せない生徒が8割だそうで、残りの2割も「かわいいから!」「おしゃれしたいから!」という健康上の都合ではない回答だったそうです

先生も生徒の話をちゃんと聞き入れた上で話し合えるのが理想ですね(もっともそんな余裕はないんですがね)

≪問題になってもクレーム処理しなくて済むなら、ぶっちゃけなんでもいい≫

モンスターペアレント という言葉を耳にしたことがある人も多いと思いますが、モンスターペアレントでなくても、学校の先生が一番胃を痛める案件は生徒ではなく保護者含めた大人への対応です

2つ書いてきたことはもちろんですが、それも最終的にはここに着地すると思います

いじめも万引きも犯罪被害も、親も含めた周りの大人は『学校は何を指導してきたんだ』『なんで未然に防げなかったのか』などのクレームを容赦なく浴びせかけます(犯罪加害の場合は甘んじて受け入れなければなりませんが)

いじめがあった学校がニュースで取り上げられたり、犯罪に巻き込まれたニュースを見た生徒の中には「学校不信」になる生徒もいるでしょう

また、ニュースをみた近隣住民からここぞとばかりにあるかないかもしれぬクレームを電話してきたり、学校に直に入れたりする人もいます

その対応はコールセンターでもクレーム処理の部署があるわけではなく、すべて現場の先生が行うわけです(くどいようですが、現場の先生はただでさえ多忙な中で)

それこそ私の祖父母や両親の時代は「先生はすごい人・偉い人」という意識が生徒にも保護者にもあった家庭が多かったそうです

なので何か問題が起こった場合には「“我が家の”しつけがなっていなくて先生にはご迷惑をおかけしました」と逆に謝られる側だったそうです
今の場合、99%学校に責任がなかったとしても残り1%を全力で学校のせいにする保護者もいます

本当に私の見解ですが、いわゆる学力が高い学校の方が校則が細かく設定されていない気がしています
これはそこまで言わなくても生徒が自ら管理できる能力があることや、そういう家庭での指導ができていたからではないでしょうか

ここで言いたいのは、本来家庭教育でも教えるべきことを保護者が放棄して「お金も払っているんだから学校が教えなさいよ」的なスタンスでいる家庭が増えている現状もどうにかしないといけないということです

よく言うことですが、子どもを育てるためには学校・家庭・地域の大人が連携を取ることが大事です

私の知らない 古き良き日本 てやつではできていたことだったのでしょうか

ブラック校則との正しい戦い方

さて、長らく書いてきましたが、最後に先生目線での学校との正しい戦い方をまとめておきます

端的に言いますと、そのためにあるのが“生徒会”です

ブラック校則を変えたいと訴えている人の何人が真面目に生徒会の活動を見てきたでしょうか?何人が生徒会に立候補したでしょうか?何人がなんとなくで生徒会役員を選んだでしょうか?

一個人の生徒が、言いやすい先生に言ったところで「一人の意見」として埋もれます

何度も出てきていますが、先生は多忙を極めています

一人の意見に対して職員全員集まって会議をしてなんて時間は取れないんです

そりゃやるのが理想ですが、企業でも「お客様の声」の1件1件をリアルタイムで会議してなんてことしてませんよね?

だからこそ、「この学校に通う生徒の総意」として生徒総会などの場でしっかりと議題として提出して、必要なら生徒から署名を集めてといったことをする必要があるんです
何なら一緒に保護者の署名も集めてしまえばいいのです

生徒総会は年間行事ですでに組まれている場合が多いと思います
もしくは生徒会役員から先生に働きかけてもらえば実現できるはずです

署名の集め方やその書式はインターネットにたくさんフォーマットが落ちていると思うので、参考にできます

もしこれが「面倒」と思うなら、卒業まで我慢するか、生活指導の先生と“仲良く”卒業まで過ごしてください

ブラック校則が『社会的に逸脱したルール』と言うのであれば、変える側も「逸脱したルール」ではダメで、だからこそ「社会にのっとったルール」の下で手続きをする必要があります

最後に

いろいろ書きましたが、ホントに現場の先生は多忙です
それでもその仕事を続ける(続けようとする)のは生徒のことが好きだからです

でなければこんなに激務で味方がいない環境で金銭的にも恵まれない仕事を続けようとは思いません

だからこそ、『学校が悪い』というのではなく『どうやったら学校をもっとよくできるのか』という前向きな話し合いができる先生と生徒との関係を築くことはできると思います

学校における校則変更とは、社会における立法と同じです

社会でも法律がポンポン変えられないように、校則もそうそう簡単にポンポン変えられないものです
だからこそ正式な手続きにのっとって進めていく必要があるわけです

世の中から1つでも多くのブラック校則がなくなりつつ、先生の労働環境も良くなることを願うばかりです


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